防水板の導入の流れやおすすめ製品を紹介
その一つが、増え続ける気候変動の影響による水害への備えです。
今回は、最短で約2週間※という短期間で設置可能な防水板の導入の具体的な流れと、
ニーズに合わせたタイプ別のおすすめ製品をご紹介します。
※製作期間や施工時間は状況により変動します。
企業における水害対策の必要性(企業のBCP策定率、被害事例)
近年、日本は激しい気候変動の影響を受け、頻繁に水害に見舞われています。特に、2021年7月の九州地方での豪雨や、2022年9月の関東地方での台風による浸水被害は、多くの個人及び企業に甚大な損害をもたらしました。これらの事例からも明らかなように、水害は予測が難しく、個人だけでなく企業も適切な対策を講じる必要があります。企業が水害に遭遇すると、事業の中断、設備や在庫の損失、従業員の安全確保の困難、顧客信頼の低下など多岐にわたるリスクが発生します。こうしたリスクを最小限に抑えるためには、事前の準備が不可欠です。
内閣府は、災害等の緊急事態における事業の継続性を確保するため、BCP(事業継続計画)の策定を推奨しています。BCPは、災害発生時におけるリスク管理の枠組みを提供し、事業活動の迅速な回復を目指します。これにより、企業は不測の事態にも柔軟に対応し、事業の中断を最小限に抑えることが可能となります。
水害対策を含むBCPの策定は、企業が直面する潜在的なリスクを事前に特定し、効果的な対応計画を立てる上で重要な役割を果たすのです。これからの時代、企業が持続可能な成長を遂げるためには、災害対策とBCPの策定は欠かせない要素となっています。
参考:内閣府|事業継続ガイドライン[PDF]
企業のBCP策定率は18.4%
帝国データバンクの2023年に行われた調査結果によると、日本の企業の間で事業継続計画(BCP)の策定率は18.4%にとどまっています。この数字だけを見ると、BCPを既に策定している企業は少ないように感じられます。しかし、この調査では「現在、策定中」または「策定を検討している」と回答した企業も多く、これらの企業を合わせると約半数の企業がBCPの必要性を意識していることが明らかになりました。
この結果は、日本の企業が事業の持続可能性とレジリエンス(回復力)を高めるためにBCPの重要性を認識し始めていることを示しています。にもかかわらず、策定率が低い現状は、BCPの策定に対する認識のギャップや実行に移すまでのハードルの高さを表しているのかもしれません。
企業がリスク管理と事業継続のために積極的なアプローチをとるべきであること、そしてそのプロセスを始めるための一歩としてBCPの策定を優先すべきであることは、もう待ったなしの状況といえるでしょう。
水害による企業の被害事例
2018年7月の西日本豪雨では、広島県三原市や岡山県井原市などで多くの企業が浸水被害を受けました。 工場やオフィスの機器や製品が水につかり、生産や業務に大きな影響がありました。 これらの企業は、地震を想定したBCP(事業継続計画)は作成していましたが、水害は想定外でした。 ハザードマップを確認していなかったり、水害に対応した防水壁や排水ポンプを備えていなかったりしたとのことです。
このような被害を教訓に、これらの企業はBCPを改定し、水害に備える対策を強化。 防水壁の設置や安否確認用アプリの導入など、具体的な対策を講じました。
水害は人間の力では食い止められませんが、事前に備えておくことで、被害を軽減することができます。 自社の従業員と事業を守るために、水害対策を講じておきましょう。
参考:
讀賣新聞オンライン|
普及進まぬ水害想定のBCP. . .企業が挙げる「重視するリスク」、地震の半分に満たず
企業ができる具体的な水害対策
企業は水害リスクに対処するため、ハザードマップの確認と防水板の施工を含む具体的な対策を講じることが重要です。
【具体的な水害対策】
・ハザードマップの確認
・防水板の施工
これらについて、以下で詳しく説明します。
ハザードマップの確認
ハザードマップの確認は、自分の住む地域や勤務先などで、どのような災害が発生しうるか、どの程度の被害が想定されるかを知るために必要です。ハザードマップを見ることで、適切な防災対策や避難計画を立てることができます。ハザードマップは以下のような流れで見ていきましょう。
・ハザードマップポータルサイトや地方自治体のウェブサイト、防災アプリなどで、
自分の住む地域や勤務先などの住所や現在地を入力
・水害、土砂災害、高潮、津波、地震など、発生しうる災害の種類を選択
・ハザードマップを表示し、色や記号などで示された災害リスクや避難場所、避難経路などを確認
・ハザードマップの注意事項や想定条件などを読み、
色がついていない場所が安全とは限らないことや想定を超えた災害が発生する可能性があること
を把握
国土交通省が運営するハザードマップポータルサイトで、全国のハザードマップを一括して閲覧することができます。市町村が作成・公開したハザードマップへもリンクされていますのでご確認ください。
国土交通省「ハザードマップポータルサイト」はこちら→
防水板(止水板)の設置計画
自分の住む地域や勤務先のリスクを確認し、浸水のリスクが高い場所にあると判断した場合は、想定される被害を最小限に抑えるための具体策の検討が大切です。最優先すべきは人的被害をなくすことですが、企業においては建物や機械などへの物的被害を抑えることも重要です。
例えば、地下室、電気室・機械室など浸水による被害が大きい場所には、防水板の設置を推奨します。防水板とは、建物の出入口等にパネルやシートで水の侵入を防ぐ製品のことです。防水シートや脱着式、起伏式、防水扉、防水シャッターなど種類があります。
防水板を設置するには事前の施工が必要です。設置場所や設置条件により、費用や期間が異なります。また、設置環境によっては付帯工事も発生します。防水板の設置には、各自治体から補助金が出る場合がありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
水害は事前に備えておくことで、被害を軽減することができます。自社の従業員と事業を守るために、防水板を設置しておきましょう。
防水板(止水板)導入の流れ
それではここで、防水板を導入する際の流れを説明します。
【防水板の導入の流れ】
1. 防水が必要な箇所の点検
2. 概算お見積り
3. 現地調査
4. 正式お見積り
5. ご注文
6.工事
防水板は設置場所に合わせて工場で製作します。一番手軽な防水板「オクダケ」では、ご注文後約2週間で完成※し、施工時間は半日程度※です。災害はいつなんどきやってくるか分かりません。備えあれば憂いなし、というように、今すぐにでも防水板の設置をおすすめします。また、現地の状況やご予算によって、様々なタイプの中から最適な防水板をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。
※製作期間や施工時間は状況により変動します。ご検討の際にはお問合せください。
また以下のリンクでは防水板の導入方法を詳しく解説しています。ご覧ください。
関連記事:
・工場や倉庫が行うべき台風対策とは|浸水被害を防ぐ方法と必要性を紹介!(浸水対策ナビNo.13へ)
・そこが知りたい!Q&A 防水板への質問・疑問にお答えします。(浸水対策ナビNo.17へ)
タイプ別 防水板のおすすめ製品
鈴木シャッターではさまざまなタイプの防水板の製品をライナップしています。タイプ別にご紹介しますので、自社に合ったタイプのものをお選びください。
タイプ | 製品 | |
---|---|---|
常設式 | 起伏タイプ | アピアガード 手動跳ね上げ式防水板 |
シートタイプ | アピアガード 防水シートⅢ | |
防水扉 | アピアガード アピアS型ドア | |
脱着式 | 脱着タイプ | アピアガード アピアシャット |
簡易脱着タイプ | アピアガード オクダケ |
起伏タイプ|アピアガード 手動跳ね上げ式防水板
「アピアガード 手動跳ね上げ式防水板」の最大の特長は起伏タイプであることです。起伏タイプとは収納時には床面の中に収まっており、使用時に立ち上げて使用するタイプ。その際には、設置場所の床面から防水パネルを立ち上げるだけで浸水対策が可能です。
「アピアガード 手動跳ね上げ式防水板」の主な特長は以下になります。
●簡単操作でスピード設置・楽々収納
床面のパネルを手動操作で起こすだけの簡単設置。防水板の収納場所にも困りません。
●最高ランクWs-6相当の防水性能
防水ゴム内蔵のレールとステンレス製パネルがしっかり押付けられ、最高ランクの防水性能を発揮します。
●コンパクト設計で高い意匠性
鈴木シャッター独自の可変軸機構の採用により、業界最小クラスのレール形状を実現。コンパクトな設計で出入り口、床面にすっきりと設置できます。
●ステンレス素材使用で、優れた耐久性、楽々メンテナンス
ケーシングにもステンレス素材を採用し、経年劣化に強く、高い耐久性を実現しています。
【おすすめの設置場所】
・オフィス・店舗出入口
・地下階段出入口
・マンション出入口
※自動車の通行はできません。
「アピアガード 手動跳ね上げ式防水板」は商業施設やオフィスビルのエントランスに向いています。
シートタイプ|アピアガード 防水シートⅢ
「アピアガード 防水シートⅢ」はシートタイプの防水板です。組立部材は下部・サイドレールに収納されているため、いざという時、スピーディにその場でセッティングが可能で、平常時の建物の美観もそこないません。広々大開口を実現し、最大幅8m、水位1mに対応しています。
「アピアガード 防水シートⅢ」の主な特長は以下になります。
●スピーディにその場で簡単セッティング
組立部材は下部・サイドレールに収納されているため、その場でセッティングが可能! 工具も不要で、大開口の防水シートを1人で組立てることができます。
●広々大開口を実現
最大幅8mの広々大開口、最大水位1mと高い浸水水位に対応できます。
●メンテナンス性の向上
防水シート収納時に汚れを防ぐ保護シートを設置。さらに、鈴木シャッター独自の排水処理方法により下部レール内に水が溜まりにくい構造とし、経年によるシートの劣化を抑えます。
【おすすめの設置場所】
・地下駐車場の入口
・倉庫の入口
・工場の搬入・搬出口
「アピアガード 防水シートⅢ」は広々大開口なので地下駐車場の入口や倉庫、工場の搬入搬出口におすすめ。これらの施設を持っている企業さまは要チェックの防水板です。
防水扉|アピアS型ドア
「アピアS型ドア」はドアタイプの防水板です。防水性能と防火性能を求められるビル通用口や機械室などに最適です。
「アピアS型ドア」の主な特長は以下になります。
●簡単操作で日常的な浸水に対応
普通のスチールドアと同じように閉じるだけで、浸水高さ1m/2m/3mにそれぞれ対応します。
●電気錠・窓付きにも対応
電気錠も対応可能です。浸水後、外部の水が引いているか確認できる窓付きもご用意があります。
●津波にも対応可能
津波波圧は最大2mに対応。
【おすすめの設置場所】
・ビル・マンションの通用口に
・設備室・機械室や倉庫の出入り口に
・その他、建物外周りの出入口に
「アピアS型ドア」は、慌てて設置する必要がなく、確かな防水性能を持つ次世代の防水製品です。マンション、病院、福祉施設、商業施設、オフィスビルなどで地下室・半地下室を設置する場合におすすめです。
脱着タイプ|アピアガード アピアシャット
「アピアガード アピアシャット」は脱着タイプの防水板です。持ち運びや取り扱いも容易で、グレモンハンドルを回すだけの簡単セット。いざという時に安心の備えとなります。
「アピアガード アピアシャット」の主な特長は以下になります。
●高い止水性能
防水板での最高ランク止水性能 Ws-6相当を実現。
●設置が簡単!緊急時に焦らずセット可能
パネルが持ちやすく、持ち運びや取り扱いが容易。ハンドルを回すだけの簡単セットで、いざという時に安心です。
【おすすめの設置場所】
・ビル・マンションの地下駐車場出入口に
・工場、倉庫など建物外構部出入口に
・地下街の出入口に
・その他浸水の危険がある出入口に
「アピアガード アピアシャット」は、地下駐車場やビル・マンションのオーナー、また地下鉄や地下に店舗を構える企業などにおすすめの防水板です。
簡易脱着タイプ|アピアガード オクダケ
「アピアガード オクダケ」はあらかじめ設置されたレールに、必要に応じてはめ込むタイプの簡易脱着式の防水板。あらかじめ左右のガイドレールを設置すれば、あとはアルミ製の防水板を置くだけで簡単にセッティングが可能です。
「アピアガード オクダケ」の主な特長は以下になります。
●軽くて簡単スピード設置!
防水板を置くだけの簡単、スピーディに設置できます。
●パネル個々の重量が軽い!
アルミパネルが三分割構造になっているのでらくらく運べます。
●分割構造により、コンパクトに収納可
専用バッグにコンパクトに収納でき、持ち運びも簡単です。
●連装で広い開口にも対応
中柱を立てれば広い開口にも対応できます。
【おすすめの設置場所】
・マンション入り口
・店舗入口
・オフィスビル入口
・車庫入口
ビル・マンションのオーナー、コンビニ等路面店などの企業におすすめの防水板です。
まとめ
近年、台風やゲリラ豪雨による災害が激甚化しており、BCPの策定など企業主体で行う浸水対策にも注目が集まる中、浸水対策の1つとして欠かせないのが防水板の設置です。
株式会社鈴木シャッターでは、工場や倉庫の現場調査を行い、お客様にとってベストな浸水対策を提案しています。どこでも簡単かつスピーディに設置ができる商品を販売・施工しているほか、定期点検やメンテナンスなどのアフターフォローも充実しています。大切な企業資産を浸水被害から守るためにも、まずはお気軽にご相談ください。