HOME

>

「浸水対策ナビ」マガジン
「浸水対策ナビ」マガジン【No.38】
【2026年最新】防水板(止水板)設置の助成金ガイド|
制度の仕組みと拡充事例まで解説
2026.03.17
近年、台風やゲリラ豪雨による浸水被害が全国で増加するなか、浸水対策の重要性がますます高まっています。
2025年8月、九州地方では広範囲で線状降水帯が相次ぎ、各地で浸水や土砂災害、河川の氾濫が発生しました。さらに被害は九州にとどまらず、同年9月には東京都心での局地的豪雨による住宅や店舗の浸水被害に加え、三重県四日市市の地下駐車場浸水被害など、都市部でも深刻な被害が相次ぎました。

こうした災害の激甚化を受け、全国の自治体では、建物の浸水被害を軽減するため防水板(止水板)の設置に対して、助成金を交付する制度が広がっています。

この記事では、最新の制度動向や地域別の実施事例、申請時に押さえておきたい注意点までをわかりやすく解説します。費用負担を抑えながらスムーズに導入を進めるために、ぜひ参考にしてください。

【2025年度】防水板設置助成金の最新動向と傾向

近年の豪雨被害の増加を受けて、防水板(止水板)の設置に対する助成金制度を新たに設ける自治体が増えています。2025年度は、新規に制度をスタートさせた自治体に加え、すでにある制度の補助率や上限額を引き上げる動きも見られるようになりました。

ここでは、注目すべき最新の動向を具体例とともに紹介します。

新たに助成金制度を開始した自治体の例

2025年度には、これまで助成金制度がなかった地域でも、新たに防水板設置に対する補助がスタートしています。たとえば三重県四日市市では、2026年1月5日から止水板等設置補助金の受付を開始しました。市内全域が対象で、費用の2分の1(上限50万円)まで補助を受けられる内容となっています。

このほかにも、東京都大田区や福岡県宗像市・古賀市、熊本県熊本市、大分県大分市、といった自治体が相次いで助成金制度を立ち上げており、全国的に浸水対策を後押しする流れが広がっています。

参考:
大田区|止水板設置助成制度
四日市市|四日市市止水板等設置補助金
宗像市│浸水対策補助金制度を開始します
古賀市│止水板設置補助金
熊本市|熊本市止水板等設置補助金について
大分市|止水板設置補助制度について

既存制度より条件が拡充された制度の内容

一方、すでに制度がある自治体でも、近年の豪雨被害を踏まえて助成内容を見直す動きが出ています。
東京都目黒区では制度改正により、個人向けの補助率が従来の4分の3から10分の9に引き上げられ、上限額は100万円とされています。

東京都品川区でも制度の拡充が行われており、個人向けの補助率は従来の4分の3から5分の4へ、法人向けは2分の1から5分の3へ引き上げられています。補助限度額は個人100万円、法人150万円です。
また、埼玉県朝霞市では2025年4月1日から制度を改正し、補助率を従来の4分の3から5分の4へ引き上げ、補助限度額も100万円に拡充しました。

なお、これらは2026年2月現在の情報であり、申請総額が予算額に達した場合は、年度途中でも受付を終了していることがありますので、早めの確認をおすすめします。

参考:
目黒区│住宅や店舗に止水板等を設置するための工事に対する助成(目黒区止水板設置工事助成)
品川区|止水板設置等助成 (防水板設置工事助成)
朝霞市|止水板設置費補助金制度の主な改正内容

地域別・防水板設置助成金の主な実施事例

防水板設置に対する助成金制度は、全国のさまざまな自治体で実施されています。補助率や上限額は地域ごとに異なるため、以下ではエリアごとの主な実施事例を表にまとめるとともに、注目の制度についてもあわせてご紹介します。

東北・関東エリアの事例

都道府県 市町村 制度名 助成内容(概要)
宮城県 仙台市 仙台市止水板等設置工事費補助制度 工事費の総額の1/2(上限50万円)
福島県 郡山市 止水板設置等工事補助金 工事費の1/2以内(上限30万円)
埼玉県 朝霞市 朝霞市止水板設置費補助金 事業費の4/5以内(上限100万円)
埼玉県 新座市 新座市止水板等設置費補助金制度 経費の1/2以内(上限40万円)
千葉県 千葉市 防水板設置工事の助成制度 費用の1/2(上限75万円)
東京都 品川区 防水板設置等工事助成 個人4/5・法人3/5(上限~150万円)
東京都 目黒区 目黒区止水板設置工事助成制度 個人9/10・法人3/4(上限100〜150万円)
東京都 大田区 止水板設置助成制度 個人4/5・法人3/5(上限100~150万円)
東京都 足立区 止水板設置工事助成 工事費の1/2(上限150万円)
東京都 荒川区 止水板設置助成制度 工事費の1/2(上限150万円)
神奈川県 厚木市 厚木市止水板設置補助金 経費の1/2(上限50万円)
神奈川県 平塚市 簡易止水板等購入費補助金交付制度 購入価格の1/2以内(上限10万円)

※2026年2月時点(一部抜粋)

東北・関東エリアでは、現在34の自治体が防水板設置に関する助成金制度を実施しています。

東北では、宮城県仙台市・石巻市、福島県郡山市・いわき市が防水板設置に対する助成金制度を運用しており、福島県郡山市では、浸水の被害があった区域の建物が助成を受けられます。
関東エリアに目を向けると、全国のなかでも実施自治体が多く、過去に浸水被害が発生したエリアを中心に制度の導入が進んでいる点が特徴です。前述のとおり目黒区は補助率10分の9、品川区・大田区は補助率5分の4と手厚い内容ですが、荒川区も上限150万円と都内トップクラスの助成額を設けています。千葉市の上限75万円や新座市の上限40万円など、周辺自治体にも独自の制度が広がっています。

中部・近畿・中四国・九州エリアの事例

中部・近畿・中四国・九州エリアでも、現在41の自治体で助成金制度が設けられています。

都道府県 市町村 制度名 助成内容(概要)
新潟県 新潟市 防水板設置等工事助成制度 工事費用の1/2(上限50万円)
石川県 金沢市 金沢市浸水防止設備等設置費補助 費用の1/2(上限100万円)
愛知県 一宮市 一宮市浸水対策施設設置補助金 総額の1/2(上限30万円)
三重県 四日市市 四日市市止水板等設置補助金 費用の1/2(上限50万円)
大阪府 枚方市 止水板設置費 補助制度 費用の1/2(上限50万円)
兵庫県 西宮市 止水板設置助成金 費用の1/2(上限50万円)
岡山県 岡山市 止水板設置補助制度 費用の1/2(上限50万円)
広島県 広島市 止水板設置補助制度 費用の1/2(上限50万円)
大分県 大分市 止水板設置補助制度 費用の1/2(上限50万円)
鹿児島県 志布志市 止水板等設置助成事業 経費の2/3(限度額50万円)

※2026年2月時点(一部抜粋)

西日本では、過去の豪雨災害を教訓に制度を整備する自治体が目立ちます。前述のとおり、三重県 四日市市や大分県大分市は2025年度に新たに制度を開始しており、浸水対策への意識が高まっている地域といえるでしょう。

石川県金沢市は上限100万円と高い助成額を設定しているほか、鹿児島県志布志市は補助率が経費の2/3と他の自治体より手厚い内容になっています。岡山市や広島市など、2018年の西日本豪雨で甚大な浸水被害を経験した地域でも制度が設けられており、地域の実情に応じた支援が広がっています。

【全国の浸水対策補助金一覧】はこちら →

申請をスムーズに進めるための重要ポイントと注意点

▲防水性能向上のための土間コンクリート打設工事の様子

防水板の助成金制度を活用するには、申請の流れや対象範囲をあらかじめ把握しておくことが大切です。「設置工事の費用はどこまで対象になるのか」「申請のタイミングはいつがよいのか」など、事前に押さえておきたいポイントを整理しました。ここでは、申請時によくある見落としがちな注意点について解説します。

防水板設置工事の必要性と助成対象の範囲

多くの助成金制度では、防水板本体の購入費に加え、設置に伴う「付帯工事費」も助成の対象に含まれています。付帯工事とは、防水板設置のための部材の取り付けや、防水効果を高めるために行う内外壁の止水処理、土間コンクリートの打設といった関連工事のことです。どこまでが助成の範囲になるかは自治体ごとに異なるため、見積もりの段階で工事内容を整理し、自治体に相談しておくと、手続きがスムーズに進みます。

助成対象となる製品

近年は、様々な種類の防水板製品が販売されており、防水性能の違いや着脱方法も多岐にわたります。助成対象となる防水板についての条件として、たとえば、建物の出入口等に適切に設置できるものや、着脱可能で持ち運べるもの、一定の防水性能を満たす製品であることなど、自治体によって対象となる製品の種類や条件は異なります。制度によっては「工事を伴うこと」が要件となっている場合もあるため、事前に自治体へ確認しておくと安心です。

助成金申請から受給までの一般的な流れ

助成金を活用して防水板を設置する場合、自治体によって詳細は異なりますが、大まかな流れは以下のとおり共通しています。
1. 事前相談
2. 交付申請
3.審査・交付決定
4.工事着工・完了
5.工事完了報告
6.助成金額確定
7.助成金請求
8.交付


申請から受給までには数か月かかることもあるため、台風や大雨のシーズンに間に合うよう、早めに動き出すことが大切です。各ステップの詳しい内容については、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:うちにも使える?「助成金」を知って賢く浸水対策 →

交付決定前の「事前着工」は原則禁止

助成金を申請する際にとくに注意したいのが、交付決定の通知を受け取る前に契約や購入、工事の着手をしてしまうと、補助の対象外になるという点です。多くの自治体がこのルールを設けているため、必ず交付決定後に工事へ進むようにしてください。

また、各制度には予算の上限があり、申請が集中すると年度途中でも受付が終了する場合があります。早めの申請と、申請書類の作成に不安がある場合は、自治体や防水板メーカーに相談すると、スムーズに手続きを進められるでしょう。

事前に確認すべき給付対象条件

助成金には、建物や申請者に関する基本的な条件が設けられています。自治体によって詳細は異なりますが、たとえば以下のような要件が定められているケースがあります。

  • ●浸水リスクの高い地域であること
  • ●違法建築物ではないこと
  • ●住民登録が一定期間(例:1年以上)あること
  • ●市民税などの税金を滞納していないこと

いずれも一般的な内容ではありますが、うっかり見落とすと申請が受理されない場合もあるため、計画の初期段階で自治体の窓口に確認しておくと安心です。

まとめ

2025年度は、新たに助成金制度を開始する自治体や助成内容を拡充する動きが全国で見られました。こうした流れは2026年度も多くの自治体で継続される見込みのため、防水板を導入するには良いタイミングといえます。まずはお住まいの地域が対象かどうかを確認し、早めの準備をおすすめします。

鈴木シャッターでは、現地調査にもとづく製品提案に加え、助成金申請に必要な図面作成や書類準備のサポートも行っています。対象エリアの確認や製品の選び方など、浸水対策に関するご相談はお気軽にお問い合わせください。

ページトップへ